阿部勇樹からオシムへの質問「試合をどんなふうに見ていたのか?」
そのほか柏木陽介、羽生直剛、中村憲剛、水野晃樹、佐藤勇人らオシムへの質問全文!
日本人の悩みに、葛藤にオシムが答える。待望の最新刊はいまを生きるための人生論。
◆(36歳・サッカー選手/羽生直剛)
オシムさんに出会うまで僕は、どちらかというと、安定した道を進めればいいかな、という思いがありました。そこそこできていればいいかな、と言うような。
そんなとき、オシムさんがジェフにやってきていきなり「お前たちは、Jリーグで中間の順位にいるくらいが一番ラクなんだろう」と言われた。「もっと野心を持って上を目指し、個人としても上を目指さなければいけない」と。
それから、そこそこでいいと思っていた僕が、野心を持ってあえて苦しい道を選ぶ、ということができるようになった。
その野心は、自分の中に刷り込まれるほどの言葉にまでなりました。でも、同時に今、歳を重ねてきてこれからどうなるんだろう、という不安がある中で、ここからの「野心」とはどういうものなのか、聞いてみたいです。
一番好きなサッカーを仕事にしてきてしまったから、この次、僕は何に野心を注いでいけばいいのか。本当の野心というのはこの先、何になるのか。これは、サッカー選手としてのキャリアもそうだし、セカンドキャリアもそうです。
あと僕は身体が小さいことがずっとコンプレックスでした。でもだからこそ、やらなきゃいけないという危機感を持ってやってこれたんですけど、一方でここで失敗したらどうしようという、怖さがつねにあったんです。オシムさんがテレビのCMで「恐れることを恐れるな」とおっしゃっていたんですけど、あれってどういう意味なんでしょうか。本当の意味、そのヒントでもいいから教えてほしいです。
◆(35歳・サッカー選手/中村憲剛)
僕らに何を期待し、どうなって欲しかったのか。そして僕らを指導するのは楽しかったですか?
◆(28歳・サッカー選手/柏木陽介)
オシムさんとお会いしてから少し大人になりました。今後、長い期間プレーしていくのに必要になってくることはなんでしょうか?
◆(46歳・会社役員)
会社において、目標をともにしたチームを引っ張っていかなければならない立場です。しかし、それは簡単ではありませんでした。オシムさんはいかにして「チーム」を作っていったのでしょうか。
◆(44歳・会社員/ジェフサポーター)
サッカーにおける世代交代はつねに問題となります。ベテランのあり方、若手登用の仕方、そして個々の選手の引き際……。ジェフ時代に若い選手を積極的に登用されたオシムさんは、どうやってそれを成功に導いたのでしょうか。教えて下さい。
◆(26歳・学生)
オシムさんは、戦争を体験されています。今も民族間の争いがあるボスニアでわれわれには想像できない社会を生きていらっしゃいます。そこでお聞きしたいです。その点で言えば日本は恵まれている、と言えるのでしょうか。そうした世界の状況の中で日本が経済成長だけを目指して発展をしていくことは正しいのでしょうか。